長時間労働がなくならない原因はこれかもしれない。〜Audibleレビュー『内側から見たブラック企業。なぜそれはなくならないか』城繁幸・著
こんにちわ、てらっちです♪
今回、Audibleを聴いていて、
長時間労働はなぜ起こるのだろう?
と、疑問に思っていたことに対して、ひとつの解答が得られました。
聴視時間が28分ですので、雑誌の記事を読む感覚で軽く聴ける一本です。
最近、わたくしも長時間労働をしていたので、ちょっとタイトルが気になって読んだのです。
長時間労働の記事はこちら。
Audibleの内容は、「元ブラック企業の人事マン」に2時間にわたり著者である城氏がインタビューしたもの。
「元ブラック企業の人事マン」(以後、人事マン)が、実際どんな仕事をしていて、どうやって辞めたのか? 辞めようと思ったきっかけは? 求人の際にブラック企業を見分ける方法、ブラック企業論、なぜ長時間労働がなくならないか、といったところまで、なかなか興味深いものでした。
前半の人事マンの話では、ブラック企業をやめたときの、その辞め方がすごくて、『夜逃げ!』だそうです。(その際出てきた唐十郎さんの話しはもっとすごかったけどここでは割愛(笑))
辞める日までこっそり書類の手続きを進めて、ある日突然夜逃げ。
辞めるというと、ビンタ張られるそうですから、辞めるのも一苦労、ドキドキものです。
確かにそんな会社、いやだわ。
ところで。
わたしは何度か長時間労働の記事を書いていましたが、勤めていた会社を「ブラック企業」とは書いていませんでした。まあいろいろと突っ込みどころが多い会社でしたが、それでも「ブラックなのか?」と言われると、? なところがあるのです。もっときつい仕事で長時間労働を、上司から文句を言われながらやっている人も多いでしょうし、もっと無茶なところもあると思います。それにわたしの勤めていた会社を「ブラック」だとしたら、きっと世の中ほほぼ「ブラック」になるんじゃないだろうか?と思ったわけで。
それに関しては、この人事マンも同意見。
「長時間労働」=ブラック
だとしたら、日本中がブラックだと。
それじゃあ、そんな「ブラック」だらけの日本はブラック企業を減らすことが出来るんでしょうか?
こちらのインタビューで出てきた著者の意見では、
「長時間労働は終身雇用制の副産物」
ということでした。
なるほど、終身雇用。
終身雇用制度での直接雇用は会社にとって負担が大きい。
だから安易に人を雇うのをためらうことになり、結果、今いる人間でこなすしかない→長時間労働になるということでしょうか。
現在の労基法も過去の遺物で、現実に即していないし、終身雇用制も矛盾に満ちており、その制度にできた真空地帯にブラック企業が現れたと。
霞が関でさえ長時間労働の温床であり、それがまかり通っている。
では、どうしたらサービス残業はなくなるか?
一定の金額を払えば人をきる事ができるようにして、その上で労働時間に制限をつける。
ある程度自由に賃下げや人切りを認め、残業規制をかけることで、賃下げはあるけど、サービス残業はなくなる。
そうすれば必要なときに予算の中で人を雇用しやすくなり、サービス残業はなくなると。
うーむ。
終身雇用と長時間労働が表裏一体とは。
ということは、今の待遇はそのままに、給料も減らさず残業だけなくせ!というのはムシのいい話なのかもしれません。
たしかに、終身雇用は仕事があってもなくても、仕事がそれぞれできてもできなくても、最低基本給は毎月給料が入り、さらには毎年少しでも昇給する、有難いシステムです。
黙っていても、定年までお給料がはいるならそれに越したことはありません。
それはそれでありがたいんだけど、終身雇用に甘えているかぎり、長時間労働は無くならないということですかね。
賃金が下がってでも、もしくは自分がクビを切られてもいいから長時間労働をなくせ!と言えるかどうかということです。
それじゃあ長時間労働をしても会社にしがみつく?
かといってこの時代ですから、会社自体が安泰かというとそうでもなし。身体を壊しては元も子もなし。
自分が主体的に金を稼ぐという道を探るしかないのでしょうか?
うーむ。
考えることは多かれど、ともあれ、今回の
終身雇用=長時間労働
という図式は、わたしの中にスコーンとはまったキーワードでした。
今日はここまで!
てらっちでした♪
今日のAudible