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アラフィフにして、フリーランスに転向したHSP女は果たしてフリーとして生きていけるのか?

子どもが伸びる声かけとは?〜ブックレビュー『子供がのびる「声かけ」の正体』沼田晶弘著

アクティブラーニングの先駆者、ぬまっちこと沼田晶弘さんのブックレビュー2冊めです。

 

『子どもが伸びる「声かけ」の正体』

沼田晶弘著

子どもが伸びる「声かけ」の正体 (角川新書)

子どもが伸びる「声かけ」の正体 (角川新書)

 

 


『帝国ホテルディナー遠足』の後の一冊になります。

 

こちらの本は、他の著作よりももっと沼田先生の過去や来歴を知ることができますので、もっと深く、ぬまっちがどうして今のようなアクティブラーニングにたどり着いたのかを知りたい人にオススメ。

 

コーチングは本場アメリカで

 

まずは子供時代、大学から米国に留学、留学して学んだコーチングのいきさつなどが語られています。

 

本場で学んだコーチング、英語もろくにできないまま渡ったアメリカで、コーチングの手法で指導してくれた先生に感銘を受けコーチングを学んだそう。

 

 

先生から受けたコーチングは、

 

必ず相手に考えさせ、じっと待つ。

 

そのときの先生、ほぼ答えがバレバレなやりとりだったけれど、でもバレバレな答えを返すと、全身全霊で褒めてくれる。

褒めてくれると嬉しくて、またポジティブになって前向きに取り組んでしまう。そんなことを繰り返すうち英語も上達。気づくと成績も上がっていたそう。


このご自身の経験からアメリカでコーチング、そしてチームビルディングを学んでいます。

 

だから、ぬまっちのコーチングは本場仕込み。

ぬまっち本人が、体験したコーチングを実践してるんですね。

 

 

クラス全員が活躍できる場を一年通して作る

ぬまっちの先生としてのエピソードは今回も満載です。

 

クラス全員が活躍できる場を一年通して作るという話。

ちゃんと、子どもたちみんなが活躍できるよう考えてくれるのが嬉しい。

 

あちこちの著作で出てくるリレーの話が好きなのですが、足の速い子がどうしても目立ってしまうのが、リレー。

 

リレーなんて、だいたい足が速い子が目立つイベントですよね。

 

この学校はクラスの全員参加のリレーで、ぬまっちは足の遅い子にもちゃんと役割があることを伝えるんです。

 

足の速い子はもうほとんど現時点のスピードがもうマックスだから、そんなに伸び代がないけれど、足の遅い子は、今よりぐんと何秒も記録を縮める可能性が大きいんです。

だからクラスリレーだと、この足の遅い子たちの頑張り次第で明暗が決まるといってもいいくらい。

 

それぞれの子どもたちが、「自分はとにかく1,2位についていけばいい」とか「この位置をキープ」など課題を持って走るから、それをクリアすると、みんなで健闘を讃えてハイタッチ!となるわけ。

 

そして、この子たちならもっとできる!と思うと、けっこうきつめに「そんなレベルで満足していていいの?そうじゃないでしょ?」的な言葉を投げかけ、ギリギリまで奮起させるのも、ぬまっちの手腕。

 

そして先生は子どもたちのリレー順も、ちゃんとメンタル強い子、弱い子を考えて配置し、しっかりと話をして本人に大丈夫か確認します。足の遅い子は、その順番で「足が遅い」と分かっちゃうんですね。だから足が遅くてもメンタル強い子や、リベンジしたい子をそこに置く。

 

いやはや、本当によく考えています。

 

信頼関係と度胸

でも、先生が全てクラスのお膳立てするわけじゃなく、基本は子どもたちまかせです。

著作を読んでいるとよくわかるのですが、本当ーに子どもたちまかせ!

 

必要なのは、お互いの信頼関係が築かれていることと(コーチングのラポール)、子どもにある程度示した後、あとはお任せできる度胸。(ぬまっち的には度胸ではなさそうだけど)

 

それを乗り越えると、子どもたちが、自分で動き出します。

例えば、日直が一巡すると席替え、というルールなら、一巡したなーと思うと先生がいなくてもさっさと席替えしてしまうというクラスになるわけです。

 

これもすごいよね。

 

先生なしで席替えなんて、ありえない。

 

でも子どもたち、ちゃんと理解して信頼しあっていれば、こんなに自主的に考えて活動できるんだ!という驚き。子どもってこれしかできない、と思っているのは、大人の思い込みなのかも知れません。

 

 

ぬまっちの過去


ぬまっちは高校では落ちこぼれだったと書いています。

 

そのぬまっちが通った東京の戸山高校は、かなり頭がいい学校です。ちょうどわたしが高校受験の時に住んでいたのも世田谷で、その地域の一番ランクが上の高校が、戸山高校でした。

 

たまたま私もそこに住んでいたのでよく知っているけれど、生半可な成績では入れない学校。わたしはひっくり返ってもはいれない高校です。

 

どうやら先生はかなりヤンチャだった様子。

 

でもそんなに苦労した様子もなく入っているのだから地頭が良かったんだろうなあ。(いや、ヤンチャな友人たちに勉強を教えていたのも効果があったのかもしれませんね)


ところが、せっかく入った戸山のレベルが高すぎ、沼田先生は高校の中でビリと、そこでかなり挫折を味わっていたよう。

 

しかしそんな中、中学の同級生と集まっては勉強を教えてたりしてたっていうから、先生の素養はあったのでしょうね。

 

まとめ


学校で独特の授業を展開する沼田メソッドや、独自の教育論を披露もしてくれますが、こちらの本では特に、

 

沼田先生が、どのようにして「ぬまっち」になったのか?

 

子ども時代から、中学、高校、浪人、大学、米国留学、3ヶ月だけと期限付きで小学校の担任を任せられた話し、かなりヤンチャなクラスをダブルダッチでまとめていく話しなど、その他の本では詳しく語られていない、過去を探ることができる一冊でした。