ままここmamacoco

アラフィフにして、フリーランスに転向したHSP女は果たしてフリーとして生きていけるのか?

社会人が大学院に入ってどんなことを勉強するの? 若い学生に混じって勉強するって不安?〜『養老院より大学院』Audibleレビュー

 こんにちは! てらっちです♪

 

中高年になってから、大学で学びなおしたい!なんて人も多いかと思います。

でもね、歳を取ってから入学するとと、18歳の学生の中に混じって、同じ席に座って、自分より若い教授に頭を下げて教わり、学食では一人寂しくご飯を食べて……なんて心配もあるんです。さらに今の仕事をどうするか、家庭があれば、大学にいく間の家事分担は? 何より先立つ物をどうするかも考えなければなりません。

 

それに応えてくれる一冊。

 

著者はあの、大相撲横綱審議委員会のメンバーとしてお馴染みの、内館牧子さん。彼女が大学院に入学し、学んだ3年間の記録がとても面白かったのでご紹介。!

いやあ、痛快な一冊でした!

 

▼オーディブル版はこちら

養老院より大学院

養老院より大学院

 

 ▼書籍版はこちら

養老院より大学院

養老院より大学院

 

 

大学院に入った動機

内館さんが

 

これは私が大学院に入って学ばなければ!

 

と思ったきっかけがすごい。

相撲界では土俵上に女性を上げてはいけないのですが、2000年に大阪府知事の太田房江氏が大阪府知事賞を土俵に上がって表彰状を渡したい、と言ったのが話の発端です。相撲は古来より神事として行われて来てまして、女人禁制を貫いて来たんですね。内館さんは、神事としての相撲であり、長年守られてきた伝統を『男女共同参画』と一緒にしてはいけない、と反対を表明。

なぜ、土俵に女性が上がってはいけないのか、そしてそれを明らかにしなくてはならないと、彼女が使命感を持って大学に入って学ぶことにしたのでした。

 

相撲は古来より神事であり、土俵上は結界であることから、これは宗教学だろうと、なんとなくで、宗教学のある学科を探し、見事東北大学の大学院に入ります。当てずっぽうで学部を決めたみたいです(笑)

 

まあなんとか仕事と両立できるかと思いきや、とんでもない。

 

かなりハードな授業日程で、仕事を結局3年近く休むことになります。

パソコンで受講日程の提出!?と事務で言われ、パソコンの使い方もわからず、男子大学生を捕まえ、半強制的に『喜び組』を結成(笑)あ、この本が10年前のものですから、『喜び組』のネタ元が分からない方は、ググってくださいね。某国の将軍様が自分のために結成した美人女性軍団のことです。

 

中年が無理して若作りして、若い子たちに媚びるほどみっともないことはないと、友達となることはあっさり諦めていたが、その代わりに『喜び組』を結成して「あなたたちは将軍様を喜ばせるのよ」と男子学生数人を捕まえ、パソコン関係の書類提出を任せたり、学食の使い方をおそったり。いやあ、友達作るより、その方が勇気いりますって。

 

ところが、研究室での発表では息子ほどの年下の子達から、痛烈に突っ込まれます。

かなりハードな日程で、とても優雅に仕事と学生を両立なんてできなかったそう。

どうやら学校にもよるらしいのですが、しかし、緩い学校ではやはり生徒がさらに学びを求めて出て行ってしまったり。東北大は激論を交わすかなり厳しい学校だったようです。

 

そんな内館さん、しまいには、弱小東北大の相撲部の監督にまで就任したそうです。

部員が4人しかおらず、なんと試合では開会式前にしか試合をさせてもらえないという涙無くしては語れない相撲部の現状に、当時の理事長にどうしたら強くなるのかを相談(笑)この辺りはそりゃあ強いわね。日本で一番相撲で偉い人に相談し、プロの力士に指導を頼み、結果、20人以上の部員を集め、Cクラスを脱出したというのでした。

ここだけでも一本の映画になりますって。

 

なんて、面白かったので、あらすじまがいになってしまいました。

 

社会人学生の心構えを知ろう

当時連載していたコラムにも質問が多く届いていたそうです。

社会人になってから大学に入りたい、と思う人も多いんですね。

 

大学院でどんなことがおこなわれるのか?

学生たちから孤立しないか?

仕事と両立できるか?

大学の選び方は?

老後のためにお金をためておいた方がいい?

年下の教授に教わるなんてできない?

 

なんてところに、ズバズバと内館節で答えます。

それがもう潔くて、質問は一刀両断!

読んでいて心地いいのです!

 

私もぼんやりと、大学に入って勉強しなおしたいなーなんて考えていましたから、とても参考になりました。ただ、こちらの本は今から10年前に書かれたものですので、色々と違うところはありましょうが、それでも社会人学生は少ないでしょう。

若い子たちの間に入って学ぶというのは、それなりに覚悟がいります。

 

でも、本当に学びたいことに没頭できる時間って、本当に素敵な時間だと思うのです。

 

大学に入るのもありかも!

私は主婦になってから『古事記』にハマり、かなり読み込みました。研究されている方々の本などみると、奥が深くてさらに学びたい!などと思うのです。

奥が深いんですよ。考古学から(地面を掘り起こして調べるやつね)文献から(昔の本を読み漁るやつね)科学分野から(遺伝子研究とか、地球レベルでの気候や地学など)様々な角度から見ると、また新たな発見があるわけです。

これ以上勉強するとなると、大学入るしかないわなーと思っていました。

 

50代に入ってからもこうして学ぶことができる!という事実は、とても勇気をもらいました!

 

内館さんのことは、脚本家と横審でうるさいおばちゃん(失礼!)くらいのテレビ情報しかなかったのですが、もうファンになりましたね。

 

私もこういう50代を送りたい!そう思うのでした。

養老院より、大学院!

確かにいいかも!

 

あ、若い人、ちなみに、養老院って、老人ホームくらいの意味だと思ってくださいね。

 

 

今日のAudible

▼オーディブル版はこちら

養老院より大学院

養老院より大学院

 

 

▼書籍版はこちら

 

養老院より大学院 (講談社文庫)

養老院より大学院 (講談社文庫)