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アラフィフにして、フリーランスに転向したHSP女は果たしてフリーとして生きていけるのか?

『ドキュメント 超新星爆発』~ノーベル賞のニュートリノって何???が、わかる本

 

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ノーベル賞、日本人連続受賞、本当におめでとうございます!
日本人に生まれてよかったと思いますね。
で、ノーベル賞2人目の受賞者、梶田隆章さんは、ニュートリノの質量を発見したということで受賞されましたが、さて、ニュートリノってなんぞや、と思いません?
 
2002年に受賞された小柴さんは長野のカミオカンデでニュートリノを発見し、今回の梶田さんは、そのニュートリノの質量を発見されました。
 
ニュートリノを発見したのは約30年前の超新星爆発という天文の大イベントがきっかけだったんです!
 
その30年前の超新星爆発から始まる科学者たちのてんやわんや(死語)を事細かに取材し、ニュートリノについても優しく説明してくれるのがこの本、
 
『ドキュメント 超新星爆発』(野本陽代 著)

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です。
 
なにせ30年前の本ですから年季を感じる装丁です^^;
Amazonで検索してみたところなんと1円、しかも画像なし!
この画像を提供したいくらいです。
しかし中身は、宇宙に興味のある人なら絶対に面白い、ドキュメンタリーになっています。わたし自身も20年ぶりに読みましたが、やはり面白い本でした!
言うなれば、超新星爆発をめぐる「プロジェクトX」です。
 
〽︎風の中のすーばるー♪
 
と頭の中に中島みゆきを流しながらお読みください。
 
》著者の行動力
 
著者のご主人は超新星爆発の論理家でした。
超新星発見から始まる世界中の科学者たちの騒動をご主人を通して見ており、これは書かなければ!と思い立ち、そして書き始めたのがこの本。
それもなんの戦略もなく思い立ち、ぶっつけの体当たり取材で書いたルポだというから驚きです。
なんと超新星発見から1年後には本にしたというこの著者の行動力!
まだ科学者本人たちの記憶に新しい時の取材ですから、これはニュートリノと科学者の格闘の歴史を知る上で本当に貴重な資料です。まさかこのときの騒動が後々、ノーベル賞にまでつながるなど、この著者も考えもしなかったでしょう。
 
》科学の本とはちょっと違います
 
普通の天文の本とは違うのは、星がメインではないこと。
超新星爆発をめぐる科学者の騒動がメインです。途中、超新星爆発の解説の章がありますが、今ではビジュアル解説したムック本や天文の図鑑がありますから、そちらを見ながら読むとさらに理解が進むかと思います。
なお、この本を読もうと思う方はすでに天文系を多々読まれているかと思いますが、何しろこちらは30年前の本ですので、科学的な点は最新の情報を得られることをお勧めします。
 
》カミオカンデ
 
カミオカンデがニュートリノを発見したことが、世界的に如何に重要なことだったのかがこの本で知ることができます。
世界の超新星爆発に関わる人々が、理論上だけで確認されていたニュートリノの発見を、カミオカンデの発表を息を飲んで待っていた様子、ライバル天文台とのニュートリノ発見合戦などの人間模様が興味をひきます。
 
カミオカンデでニュートリノを検出できたのも、いくつもの偶然の上だったとか。
たまたま検出精度を上げたばかりだったり、人がいない時間だったため記録ができていたり、検出の数分前に機械が止まっていた時間があったり。いやー危なかったんですね。本当に、記録紙の少し前が空白になっているんです。その時の関係者の冷や汗が伝わります。
 
まだスーパーカミオカンデの前の設備で、国からの援助も途絶えようとしていた矢先にこの超新星爆発、カミオカンデでのニュートリノの発見となり、援助も増え、息を吹き返したとか。
2002年にノーベル賞をとった小柴さんの名前も見受けられます。
 
 
》IT黎明期の様子がわかる
 
読んでいて、ちょっと興味深かったのが通信手段の時代感覚。
新星を発見すると、一番に連絡した人が発見者の称号を得るわけですが、さあ見つけた、連絡しようと思っても、今のようにメールもないから車で山から下りて、電報を打ってもらってとなんだかまだるっこしい(笑)
当然っちゃ当然ですが、メールも携帯もなかったんですよねえ、この時代。今からすると嘘みたいです。
 
それからどうやらITの黎明期だったようで、コンピュータネットワークが大学に導入され始めた頃のようですが、いざとなると使い方がわからないというオチつきで、使い方を確かめるのに3時間かかって、それからやっとネットにつながったという‥。
今とは隔世の感がありますね。
今じゃ子どもでもラインですぐつながるのに!
あ、でもメールはすでに存在していたようです。
ちょっとそんな見方もできたりします。
 
》まとめ
 
かなりわたしの個人的な趣味の本ですが、大好きな本であります。
時代の流れは感じましたが、超新星爆発に関わった人々のワクワクそわそわ感が伝わり、単なる科学本とは一線を画した描写に胸躍ります。
 
今回のノーベル賞のニュートリノとはなんぞや?にまつわる話しでございました。
 
 
追伸
読むとわかりますが、今回ノーベル賞受賞の梶田隆章さんの発見したニュートリノは、あらゆる物質、地球も人も突き抜ける性質があります。それになんと質量があることを見つけたので、とんでもない発見なんですね。
そんなワクワクをくれる日本人、これからも定説にしばられない日本人を排出できる世の中であってほしい、そう思います。
てらっちでした!